小さな窓と飛行機雲

閉めきった窓から見えた 消えかけの飛行機雲
目を離したら もう わからなくなってしまった

同じように君も いつかはいなくなるのかな
遠くに行ってしまうのかな

風が変えていく 雲のかたち
僕らの思いもまばらになって かすんで 消えてなくなるんだ

わかっていたよ 本当は
少しだけ痛みながら 知らないふりをしていた
それでも君の近くは 心地がよかったから

このままじゃ駄目だと言った
今なら僕も たぶん頷いてしまう

もうすぐやってくる 夏の陽射しに
あの日からのすべてを 焦がしてもらうよ
そして忘れるよ

それで さよなら
振り返した手を握りしめて歩いていく

きっといつかは来てしまう その日のことを
空を眺めながら考えていた

時間は流れつづけて 色がなくなっていく風景
雲はもう見えない 窓は閉めきったまま